「高めに構えること」の是非

久々の更新。今回はあまり語られることのない「発火点を高くすること」についてです。
高くするといっても曖昧なので、ここでは隣の列と4段以上高低差がある場合と考えます。

先に結論から言ってしまうと、「早めに確定させるのは良くない」です。というのも、「非常に不自由な形」だから。以下の事例でそれを説明していきます。

図1(1P) 
図2(2P)

1Pは折り返し後上に、2Pは右に伸ばす形を選択。


まず、発火点を高くすることの利点は、なんといっても『防御力』。
少々のつぶしを食らったとしても発火できます。
実際、図1の状態でいきなり2ダブを食らったとしても発火点は無事です。


しかし、このような形を早めに確定させてしまうと以下のような欠点(不自由さ)が出てくることに注意しなければいけません。


①伸ばしにくい(飽和連鎖量が減る)
②自力発火が困難になる可能性が高い
③相手の変化に対応しにくい


①について。図1の状態から伸ばそうと思ったら連鎖尾しかありません。
しかし、防御力を維持するためには発火点の隣の列(この場合は3列目)を空けつつ組む必要があるため、ツモに左右されやすく、素早く伸ばしていくのは難しいです。結果として普通に組んでいった場合に比べ、飽和連鎖量が縮んでしまうことが多いのです。


②について。発火点を高くする場合は、カウンター狙いだけでなく、自力での発火も選択肢に入れることが望ましいです。いつも都合よくカウンター発火できるとは限りませんから。しかし図1の場合、2列目に1個おじゃまが降っただけで自力発火が困難になり、リスクが増えてしまいます。
「おじゃまに耐えるため」に選んだはずの形が、たった1個のおじゃまで台無しになってしまうこともある、というのは皮肉な話w


③について。このあとの1Pの思考は「右3列で副砲を組む」という流れにシフトしていくと考えられます(そのまま伸ばしていっても不利だから)。狙うは、2Pに先撃ちさせてのカウンター(または自力発火)。
が、しかーし!そんな1Pの狙いを察知した2Pは、対応すべく手を進めていきます。


具体的には、

A. さっさと本体伸ばしきって副砲にシンクロ発火
B. 飽和量の有利さを生かし、1Pの副砲を相殺しつつ着々と伸ばす
C. 1Pを上回る副砲を打つ

といった手が考えられます。それぞれに対し、1P側は打つ手がありません。どれをやられてもほぼ負け確定です。


「副砲で打ち勝てばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、3列のみで作るという不自由さがあるため、あまり大きな副砲は撃てないと思われます。無理して本体部分まで崩してしまうと、シンクロ発火されて負け確定ですし。


つまり、『図1の形を選択した時点で1Pは敗色濃厚』なのです。


やや極端な事例でしたが、「高い発火点を早めに確定させる」というやり方では、目先の安全は得られても、全局的な視点でみると非常に不自由であるというのがわかったと思います。


では、どのような場面で高く構えるのがいいのでしょうか?
思いついただけでも、以下のような状況では有効だと思います。


・相手が副砲を撃ってきたが、対応催促がない場合

こんなとき、咄嗟に上に伸ばして発火点を確保するというのはアリです。
ただ、じゃまぷよに耐える時間の分相手に伸ばす猶予を多く与えてしまうので、なるべくそういう状況は作らないほうが無難です。中盤の撃ち合いで勝てるように練習するのが賢明でしょう。


・先打ちさせたあとの伸ばし
置く場所が高いためネクストを早くツモれるという「スピード面」での利点も出てきます。

・全消し戦のとき
・序盤で相手が速攻でくると読めたとき


・初めから高低差を埋める予定のとき
たとえば図3のように組んだとします。3列目と4列目(発火点)で高低差が最大6段あるため、この時点で岩が来ても赤から発火できます。で、その後の展開として、図4のようにすることを想定している場合です。図3の時点であった高低差がなくなっているのがわかると思います。まあ実際にはこんな都合いいツモ来ないと思いますがw

つまり、防御力という側面を重視するのではなく、一時的に隙をなくすにとどめ、フィールドを有効に使うために上のスペースを使っているのです。
「相手から攻撃されても耐えられるように」という守りの思考ではなく、「フィールドを有効に利用してやろう」という攻撃的な思考で高めに構えている好例といえます。




実は僕自身、ツモの流れによって図1のように組んでしまうことがたびたびありました。今回考えたことを生かして修正していければいいと思います。